レモンの育て方 3月

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レモンの着果、6月くらいのようす


3月、レモンが苦手な冬も、もうすぐ終わりを迎え、新たな生育期が始まります。
3月は寒さに耐える時期と、イキイキと活動を始める時期のちょうど境目です。

この時期を利用して、やっておきたい大切な作業がいくつかあるので、
春以降のレモンの育ちが良くなるように作業して行きましょう。


■レモンの育て方 3月

・レモンの状態
厳冬から解放されても、まだまだ活動的というわけではありません。
根や芽も動きが緩慢なので、剪定や植え替えといった重要な作業の適期です。

剪定をして枝数を減らしたり、植え替えをして土を新しくすることで、
株姿もさっぱりとし、今後の生育が順調になります。

3月が作業の適期というより上旬から準備を始めます。
下旬頃には、レモンの枝の中の樹液が流れ始めます。

暖地など暖かい場所であれば、萌芽することもあるため、
必要な作業は早めに行っておく方が良いでしょう。

・水やり
地植えの場合は、ほとんど水やりの必要がありません。
雨が長期間降っていないなど、どうしても乾燥している場合だけ、
水を与えるようにします。

鉢植えの場合も、あまり頻繁に水を与える必要はありません。
だいたい3日に1回くらいのペースを目安に水を与えるようにします。

ただし、前回の水やりから3日経っても、土が湿気ている場合は、
無理に水を与える必要はありません。

・鉢植えの置き場所
鉢植えにしているレモンは、3月に入って霜の心配が減ったところで、
日当たりの良い戸外へと置き場所を変えます。

3月はまだまだ遅霜の心配があるので、夜間の冷え込みが心配な時は、
昼間は日当たりの良い場所に置き、夜間のみ玄関など室内に取り込むか、
軒下に置いて霜にあたらないように注意します。

・追肥
地植え、鉢植えともに、2月に春肥を与えられなかった場合は、
3月中に春肥を与えるようにします。

◎剪定、誘引
3月はレモンの根や芽の動きがあまりない時期なので、剪定の適期です。
5年目くらいまでの若い株であれば、無理に剪定しない方が、
枝数も増えて実をつける数も増えることがあります。

ただし、大きく育った木の場合は、表面にばかり実がつき、
日当たりの悪い株の中央は、病害虫の温床となっていることもあります。

寒い冬の間は、あまり風通しの良い状態になっていると、
冷たい風が吹き抜け、凍害にあう可能性があります。

そのため、生育期を目前とした3月が剪定にはぴったりなのです。

レモンの剪定のポイントは3つです。

1. 高さと広がりを抑える
まずは主幹を切ったり、長い枝を切ったりして、高さや広がりを抑えた、
株全体を小さくする剪定を行います。
まだ株を大きくしたい場合は、無理に行う必要はありません。

2. 不要な枝を間引く
混み合っている部分や、伸びている方向が悪い枝などを、根本から切って間引きます。
徒長枝、交差している枝、枯れている枝、下方向に伸びている枝などを切ります。

3. 長い枝を切り返す
1と2の剪定を行った後、残った枝の中で長い枝のみを切り返し剪定します。
短い枝には良い花芽がつきやすく、長い枝には花芽はつきにくい性質があります。

そこで、長い枝を切り返すことで、短い枝の発生を促すことができるのです。
切り返し剪定を行うのと行わないのとでは、
後々の花芽の数に差が出るので、行っておいた方が良いでしょう。

剪定が終わったら、枝の誘引も一緒にしておきます。
上方向に枝が伸びると、伸びる勢いが強くなってしまいます。

太い枝を紐などを使って下に下げることで、作業しやすくなり、実付きも良くなります。
誘引の際は、枝を折ってしまわないように注意して作業します。


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根鉢がいっぱいに回っているので植え替えます


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一回り大きい鉢に植え替えます


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用土を馴染ませて十分水やりして完成!
*秋に植え替えたので実がついています。


・植え付け、植え替え
根の動きが緩慢なこの時期に、植え付けや植え替えの作業をします。
植え付けは、地植え・鉢植え共通でこの時期に行います。

鉢植えの場合、何年も同じ鉢で育てていると、
鉢の中が根でいっぱいになり、根詰まりの状態となります。

根詰まりになると、根が育つスペースがなくなる上に、
水や空気の通りが悪くなり、生育が悪くなります。

水やりをした時の水の抜けが悪い場合、鉢底から根が出ている場合、
鉢から抜いたら根鉢に根が巻いている場合は、植え替えが必要です。

植え付けから何年経過しているかに関わらず、
根詰まりの状態になっている時には、必ず植え替えを行います。

植え替えを行う場合、株が小さければ鉢のサイズを一回りずつ大きくします。
ただ、これ以上は鉢を大きくしたくないということもあるでしょう。

その場合は、根鉢の側面と底面を、ノコギリなどを使って、
3cmほどの厚みをそぎ落とします。

こうすることで根鉢が小さくなり、元と同じサイズの鉢に植え付けても、
また根が育つスペースができます。

根の動きが緩慢な3月だからこそ、根を触っても株にはほとんど影響ありません。

・病害虫予防
かいよう病やそうか病が多発し、薬剤の使用に抵抗がない場合は、
この時期に薬剤を散布しておくと効果的です。

剪定した枝の中には、病害虫がひそんでいる場合があります。
剪定後に放置せず、すぐに処分するようにします。

■レモンの育て方 3月のポイント
1.剪定をして株をすっきりさせる
2.根詰まりをしている時は植え替えをしてリフレッシュ
3.薬剤散布と剪定枝処分で病害虫予防 


■参考
・レモンの育て方|弱剪定で栽培、鉢植えもOK
・レモン 室内での育て方
・レモンの育て方 12ヶ月