ニンニクの効用は?

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ニンニク種球、9~10月が植え付け適期です


ニンニク(大蒜)の英名は、ガーリック(Garlic)。
古事記に記載があるほど、日本でも古くから利用されてきました。

現在のように日常的に食べられるようになったのは、比較的最近で、
少し前まではニンニクは薬草として珍重されていました。


■ニンニクの効用

ニンニクには、アリシンやアリシン、硫化アリル、
スコルジニンなどの成分が含まれています。

・アリシン(allicin)
中でもニンニクの効用に大きく関与しているのは、
アリシンです。

アリシンは、ニンニクのあの独特の匂い成分です。

ところで、調理前のニンニクには、あの匂いはありません。
ニンニクを切ったり、つぶしたり、すったりと、
何らかの形でニンニクを傷つけると、
ニンニクに含まれているアリインという成分が、
酵素の働きで匂い成分のアリシンに変化します。

アリシンには、総コレステロール値、
LDLコレステロール値を下げる働きや、
血液をさらさらにして血栓が作られにくくする効果、
免疫力を高めるて感染症にかかりにくくする効果、
高血圧の改善や動脈硬化の予防などに効果があると
されています。

・ジアリルトリスルフィド(DATS)
さらに、ニンニクをオイルに浸すとアリシンが分解・結合して、
アリルスルフィド類という成分に変化します。

この生成されたアリルスルフィド類のなかに、
ジアリルトリスルフィド(DATS)という成分があるのですが、
この成分が優れものです。

DATSには抗がん作用があるのですが、
アメリカ合衆国が抗がん性のある食品を研究している、
デザイナーフーズプロジェクトで、
「がんになる危険性を少なくする効果がある最もある食物」としています。


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いろいろな品種があります、家庭で育てると生も食べられ美味です


・ノルアドレナリンとテストステロン
また、ニンニクを食べると、
ホルモンの一種であるノルアドレナリンの分泌が促進されます。

ノルアドレナリンは、代謝を活発化させ、
エネルギーの産生を促進させる働きがあります。

さらに、ニンニクとタンパク質を一緒に食べると、
男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌が促進されます。

テストステロンには、やる気を促し、快楽をもたらす働きがあります。

ニンニクが疲労回復や滋養強壮に効くのは、
これらの働きによるものです。


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収穫!


■ニンニクの匂い消しには?

ニンニクは美味しいですけれども、
あの独特香りが気になる方も多いでしょう。

近年では、匂いのほとんどない「無臭ニンニク」や「ジャンボニンニク」が、
流通していますが、実はネギの仲間です。

ニンニクの薬効成分の多くは匂い成分のアリイン、アリシンでなので、
これらの成分がないという無臭ニンニクに、
どれほどの薬効が残っているのかは、疑問があります。

ニンニクの効用は、あの匂いあってこそ、
といっても過言ではありません。

ニンニクを食べた後は牛乳やリンゴ、パセリ、緑茶など、
消臭に効果があると言われている物を飲食するなどして、
匂いと上手につきあうと良いかもしれませんね。

>>ニンニクの育て方