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スダチとカボスの違い

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こちらは、カボスです


スダチとカボスの違いは?
見てはっきりと分かるのは、果実の大きさです。
持ってみれば、重さからわかるんです。

スダチの大きさは、だいたいゴルフボールくらいです。
重さは、1個30g~40gが一般的です。

カボスはスダチよりも大きく、テニスボールくらいあります。
重さは100g~150gと、スダチの3倍~5倍もあるのです。

冬になると、焼き魚や刺身、鍋がおいしい季節。
それと同時に、柑橘類もおいしい時期になりますね。

焼き魚や鍋に一絞りすると、風味が増してとても美味です。

スダチやカボスなどがよく使われますが、
この2つの違いを、よく分かっている人は少ないのです。


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スダチもカボスも料理を引き立ててくれます


[スダチとカボスの違い]


■スダチの特徴

ミカン科の果樹で、常緑低木や中高木に分類されています。
ユズの近縁種のため、見た目はユズに似ています。

主な収穫時期は8月~10月のため、スダチの旬もその時期です。

旬以降も販売されているスダチは、
8月~10月に収穫したものを冷蔵保存しておき、
後日販売していることが多いようです。

本来は収穫時期ではない3月~8月の間も販売されることがありますが、
これはハウス栽培で収穫されたものがほとんどです。


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スダチも人気があります


・産地
徳島県の特産品として有名です。
日本で収穫されるスダチの98%が徳島県産というのですから、驚きです。

1974年には、スダチの花が徳島県の県花になるほど、
徳島県もスダチに並々ならぬ思いがあるのでしょう。

現在では「すだちくん」という、
徳島県のイメージキャラクターまでできたほどです。

・形状
一般的なスダチの大きさは、だいたいゴルフボールくらいです。
重さも1個30g~40gと、柑橘類の中でも小ぶりな部類に入ります。

表面の皮は緑色の状態で売られていることが多いですが、
スダチもユズなどと同じように、熟せば黄色くなります。

・味
酸味が強く、すっきりとした味わいです。
食酢の代わりにされるので「酢」と、柑橘である「橘」とを合わせて、
酢橘(すたちばな)と呼ばれていたことがあります。

現在では、スダチと短く言うのが一般的です。
甘みがあまりなく、鋭いほどのすっきり感から、
お菓子やジュースなどの甘味よりも、
鍋やポン酢、焼き魚などの調味料として使うことが多いです。

黄色く熟したスダチの場合は、
皮が緑色のものよりも若干、酸味が和らぎ、甘みも出ます。

どちらが好みかは人それぞれ好みがありますが、
スダチ本来の風味と酸味を味わうのであれば、
旬の時期に、青い実を味わうことに勝るものはありません。


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カボス、大分の名産です


■カボスの特徴

ミカン科の広葉常緑樹に分類されます。
ユズの近縁種であるので、スダチと同じです。

カボスも一年中店頭に並んでいますが、露地の旬は8月~10月です。
10月中旬~2月頃までは、露地ものを冷蔵保存していたものが出回り、
3月~7月はハウス栽培のものが販売されています。

・産地
大分県が特産としています。
国内で生産されるカボスの97%が大分県産なので、
スダチの徳島県にも負けず劣らずの勢いです。

カボスには、実がたくさんなる「表年」と、
少し収穫量が減る「裏年」とがあります。

2015年は表年に当たる年なので、たくさん楽しめそうです。

・形状
カボスはスダチよりも大きく、テニスボールくらいの大きさです。
重さは100g~150gと、スダチの3倍~5倍ほどもあります。

皮がまだ青々とした状態で収穫され、出荷されるので、
店頭で見るものは基本的に、皮が緑色をしています。

カボスも熟せば、皮は黄色くなりますが、
産地近辺でなければ、あまり見かけません。

雌しべのついていた痕として、
ヘタの周りが少し盛り上がるのも特徴のひとつです。

・味
強い酸味があり、そのまま生食するには難しいですが、
スダチと違って甘みがあり、酸味にはトゲがなくまろやかです。

実が大きい分、果汁もたっぷりと使えるので、
ポン酢やドレッシングなどにもよく使われます。

食事の調味料にももちろん使えますが、
甘くまろやかなので、ジュースやお菓子などにも利用できます。

焼酎などお酒に絞り込んでも、旨いです。


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スダチもカボスも鍋料理においしいです


■スダチとカボスの違い!

・大きさ
スダチの方が断然小さいので、並んでいればすぐに分かります。
並んで売られていなくても、
実の大きさがゴルフボールかテニスボールかでも見分けがつきます。

・味
スダチの方が酸味が強く、甘さがありません。
両方とも味わったことがあるかたは、違いが分かりやすいでしょう。

・産地
スダチは徳島県、カボスは大分県の特産です。

■参考
・スダチの栽培、 耐寒性強く用途が広い

カボスの育て方

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カボスがあるとお料理に活用できます


■カボス 栽培データ

英名・学名 kabosu・citrus sphaerocarpa
形態 常緑高木
原産地 日本
草丈/樹高  2m~4m
開花期 5月
花色
栽培難易度(1~5)  3
耐寒性 普通
耐暑性 普通
特性・用途  鉢でも育てやすい、食用にできる


■カボスの育て方

・栽培環境
風通しと日当たりの良い場所で育てます。
柑橘類の中では、比較的寒さに強い方ですが寒風が苦手です。
冬の間は冷たい風が当たらない場所で管理するようにしましょう。

・植え付け
3月中旬~4月が植え付けの適期です。
6月中旬頃まで植え付けることも可能ですが、
この頃にはすでに芽が動きだしています。

芽が動きだしてから植え付けを行う場合は、
根鉢を崩さないように注意します。

地植えの場合、植え付ける場所をよく耕しておきます。
耕した場所に、腐葉土・堆肥・化成肥料・赤玉土などを入れて混ぜておきます。
土作りは植え付ける2週間以上前に済ませておくといいでしょう。

鉢植えの場合は、購入した苗の根鉢より一回りか二回り大きい鉢を用意します。
鉢底が隠れる程度に鉢底石を敷き、その上に新しい用土を使って植え付けます。

用土は市販の培養土で充分ですが、カボスは水もちがよく肥沃な土を好みます。
水はけがよすぎると、夏場の高温時期に水切れを起こしやすくなるので、
赤玉土やバーミキュライトなどを混ぜて調整しておきます。

2年に1回くらいのペースで、一回り大きい鉢に植え替えましょう。
植え替えを行うのも、植え付けと同じ3月中旬~4月が適期です。

・水やり
植え付けてからしばらくは、また根付いていない状態なので、
あまり土が乾きすぎないように注意します。

地植えの場合は、根付いてしまえば水やりに神経質になることはありません。
鉢植えの場合も、土の表面が乾いたら、
鉢底から水がしみ出てくるくらいたっぷりと水を与えるようにします。

どちらも夏場は気温が高くなり、土が乾燥しやすくなるので、
土が乾きすぎないように注意しましす。


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焼酎に入れても美味ですね


・肥料

地植えの場合、年に3回肥料を与えます。

1回目は2月に寒肥として有機質肥料を与えます。
2回目は6月~7月に即効性のある化成肥料を与えます。
3回目は9月~10月に即効性のある化成肥料を与えます。

2回目と3回目の肥料は少なめにしておきます。
鉢植えの場合は、3月に固形の肥料を与えます。

・摘果

6月下旬~7月上旬頃、1回目の摘果を行います。
傷んでいるものや、小さすぎるもの、
一か所に複数実がついている場所などを主に摘果します。

実すぐ近くに陰になるように葉が伸びていると、
実に充分な光が当たらずに色が薄くなってしまうことがあります。
陰になるような葉があれば、取り除いておきましょう。

7月下旬~8月上旬頃、2回目の摘果を行います。
葉8枚~10枚に1個の実がつくよう、育ちの悪いものを摘果します。

この頃になると、摘果した実もそれなりに育っているので、
摘果した後に料理に使うことができます。

鉢植えの場合は、地植えよりも生育スペースが狭く、
実がつくようになっても株自体が小さいことが多いです。

そのため、あまりたくさん実をつけすぎると、
体力を消耗しすぎてしまうことがあります。

摘果の回数は同じでも問題ありませんが、
大きく育てる実は1株に5個~6個に限定するようにしましょう。


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2mくらいの樹高で50個くらい実をつけます


・防寒対策
比較的寒さに強いですが、防寒対策をしておくと安心です。
まずは根を守るためにマルチをしておきます。
株元に敷きワラやバークチップなどを敷いておくだけでも、防寒になります。

カボスは冷たい風が苦手です。
地植えにする場合は、冬に北風が当たる場所は避けて植え付けます。

鉢植えの場合は、寒くなってきたら、
北風の当たらない場所に移動しておきます。

・仕立て方
苗を植え付けた時、40cm~50cmくらいの高さで主幹を切ります。
その後一年間育てる間に伸びた枝の先、三分の一くらいを切ります。

3年目からは、前年に伸びた枝の先を切り戻し、
混みあった部分などの不要枝を間引き剪定していきます。

カボスは自然に開帳型に育っていくので、大きな剪定はせず、
間引き剪定と不要枝の剪定を中心に仕立てていきます。

・剪定
3月が剪定の適期です。
カボスの剪定は、仕立てが出来上がっている場合、
基本的には混みあっている部分や弱い枝の間引き剪定が中心になります。

勢いよく長く伸びる徒長枝は、
花芽をつけにくい性質があるため、根元から切るようにします。

株を元気に生長させるため、株の中心まで光を入れることが重要です。
枝が混みあうと光が入らず、病害虫がついてしまう原因になったり、
生育不良を起こす原因になります。

また、株元から伸びてくるヒコバエと呼ばれる枝も、
養分を奪う不要な枝なので切っておきましょう。

前年からの葉をできるだけ残すことで、
春の早いうちからの光合成が可能になります。
早い時期から光合成できることで、株に力を溜めることができます。

不要な枝を切る場合は仕方ありませんが、
前年から残っている葉はできるだけ残すようにしましょう。

・収穫

9月中旬くらいから収穫が可能になります。
カボスは熟してくると皮が黄色くなってきますが、熟した実は酸味も風味も弱いです。
できるだけ皮が青いうちに収穫して利用するようにしましょう。


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カイガラムシに注意します


■病害虫

・アブラムシ
春、新芽につくことが多い害虫です。
ついているのを見つけたら、粘着テープなどで捕殺します。

・ハダニ
風通しが悪く、高温で乾燥した環境で発生することの多い害虫です。
枝葉が混みあっている部分は間引き剪定をしてすかしておき、
株の中心まで光が入るようにします。
また、葉水を定期的に行うことでも防ぐことができます。

・カイガラムシ
枝や葉などに白いものが付着していたら、カイガラムシの可能性があります。
カイガラムシは病気を媒介することもあるので注意が必要です。
歯ブラシなどでこすって落とし、駆除するようにしましょう。

・アゲハの幼虫
梅雨が明けた頃から、どこからともなくアゲハがとんできて卵を産み付けます。
アゲハの幼虫はとても大食漢で、成長するにつれ食べる量も増えます。

気を抜いているとあっという間に丸裸にされることもあるので、
幼虫をみつけたら捕殺するようにしましょう。