レモンの肥料は?

  • 投稿日:
  • by mj2004
  • カテゴリ:

remon034.jpg
レモンの肥料食いはトップクラスです


柑橘類は肥料食いであることが多いですが、
中でもレモンの肥料食い加減はトップクラスです。

枝の発生が多く、生育期に何度も花を咲かせる上に、
実を育てるのにも体力を使います。

十分な肥料を与えることで、充実した株を作り、
収穫量を増やすことができます。


[レモンの肥料は?]


■レモンに適した肥料

肥料は大きく分けて、有機質肥料と無機質肥料の2つに分けられます。
有機質肥料とは、名前の通り油カスや鶏フンなど、
有機質なものを主とした肥料のことです。

有機質肥料を与えると土が柔らかくなり、肥料効果もゆっくりです。
微量要素も含んでいるため、一見すると完璧な肥料のように思えますが、
実は肥料成分自体は少ないのです。

また、臭いが強く、それによって虫が寄ってくることもあるため、
室内に取り込むのであれば、与えるのははばかられます。

年間を通して、レモンは何回か追肥をするのですが、
中にはすぐに肥料効果が必要な場合もあります。

無機質肥料は、一般的には化成肥料と呼ばれているものです。
肥料成分が効率よく配合され、
ゆっくり効く緩効性のものもあれば、
速く効く即効性のものもあります。

ほぼ無臭のため、虫がわいたりする心配もほとんどありません。
無機質肥料には、窒素・リン酸・カリが含まれますが、
その配合率は種類やメーカーで違います。

レモンを栽培する時は、
窒素・リン酸・カリが同等(10.10.10)のものを使います。

有機質、無機質、どちらも良い点があるため、
追肥の時期によって使い分けることをおすすめします。


remon033.jpg
追肥のタイミングと量が適すると、開花結実が良くなります


■追肥のタイミング

レモンは1年に5回の追肥を行います。
それぞれがどのような効果を求めて追肥するかを理解しておくと、
与え忘れたり、過剰な施肥が防げます。

1.春肥(元肥)2月
株が本格的に動き始める前に与える肥料です。
骨粉入り油カス(粉末か固形)を与えます。

ゆっくりと効く有機質肥料の特性を生かし、
芽が動き出す頃までに少しずつ効くようにするのが目的です。

年間で与える肥料のうち、5割をこの追肥で与えます。
骨粉入りの油カスは窒素分が豊富なので、窒素肥料として換算します。

鉢植えの場合は、2月ではなく3月に植え替えを行ったタイミングで、
元肥として追肥するようにします。
地植えと時期が少しずれるので注意します。

2.夏肥1(枝肥)5月
春肥が徐々に減ってくる頃です。
春に伸びる春枝を充実させるため、
効率よく、かつ長く肥料効果が続く化成肥料を与えます。

2ヶ月ほど効果の続く緩効性の化成肥料を、
年間施肥量の1割くらいの量を与えるようにします。

3.夏肥2(実肥)7月
1回目の夏肥の効果が落ちてくる頃です。
2回目の夏肥は、実を育てるための追肥なので、実肥と呼ばれます。

この時も、2ヶ月ほど効果が続く緩効性の化成肥料を、
年間施肥量の1割くらいの量を与えましょう。

4.秋肥1(実肥)9月
1回目の秋肥は、2回目の夏肥に引き続き、実を育てるための追肥です。
この時も、緩効性の化成肥料を、
年間施肥量の1割くらいの量与えるようにしましょう。

5.秋肥2(お礼肥)11月
2回目の秋肥は、実を育てて疲れた株に栄養を与えるための、
お礼肥として与えます。

実を育てるのは、株にとってはとても疲れることです。

できるだけ早く、消耗した体力を戻すため、
ここでは即効性の化成肥料を与えます。

どうしても即効性の化成肥料が用意できない場合は、
緩効性の肥料でも構いません。

この時期、まだ枝に実がついていることがあります。
お礼肥えだから、実を全部収穫してから与えないといけない、
と考えるかもしれませんが、それは少し違います。

この時期に追肥をすることが大切なので、
もし枝に実が残っていたとしても、必ず追肥を済ませます。
与える肥料は、年間施肥量の2割くらいの量を与えます。


remon031.jpg
家の青いレモン♪


■適切な施肥量と与え方

肥料を与える量は、地植えか鉢植えかだけでも全く違います。
また、株の育ち具合でも違ってきますので、参考にしてみてください。

ここでの肥料は、窒素.リン酸.カリが以下の通りです。
骨粉入り油カス=5.3.2
化成肥料=10.10.10

◎地植えの場合
地植えにしている場合は、
樹冠直径(枝が広がっている範囲)によって、施肥量が変わります。

化成肥料は、樹冠直径の範囲に、まんべんなくばらまくように与えます。
土と混ぜ合わせる必要はありません。

有機質肥料の場合も、樹冠直径の範囲にまんべんなくまきますが、
土と軽く混ぜ合わせておくようにします。

土を混ぜることで、鳥などに肥料を荒らさせることがなくなり、
肥料の分解もよくなります。

*樹冠直径=①0.5m ②1m ③2m ④4m

2月(春肥).①200g ②300g ③1000g ④5000g
5月(夏肥1).①20g ②30g ③100g ④500g
7月(夏肥2).①20g ②30g ③100g ④500g
9月(秋肥1).①20g ②30g ③100g ④500g
11月(秋肥2).①40g ②60g ③200g ④1000g

◎鉢植えの場合
鉢植えの場合は、育てている鉢の号数で施肥量が変わります。
鉢の号数が分からない場合は、鉢の直径を測り、直径÷3cm=号数となります。
例えば、直径が24cmであれば、3cmで割ると8号となります。
鉢植えの場合は、有機質肥料も化成肥料も、土の表面にまんべんなくばらまくようにしましょう。
土と肥料を混ぜる必要はありません。

*鉢の号数=①8号 ②10号 ③15号

2月(春肥).①60g ②90g ③180g
5月(夏肥1).①6g ②9g ③18g
7月(夏肥2).①6g ②9g ③18g
9月(秋肥1).①6g ②9g ③18g
11月(秋肥2).①12g ②18g ③36g


remon030.jpg
鈴なりになって欲しいものです


■肥料焼けの対処法

レモンは肥料食いですが、
1回の追肥で必要以上に与えたりするのは禁物です。

一度にたくさんの肥料を与えてしまうと、
肥料過多となり、肥料焼けを起こします。

特に鉢植えは、肥料成分が抜けにくく、土の量も少ないため、
肥料焼けを起こしやすくなります。

肥料をたくさん与えると、
土中の肥料濃度が高くなりすぎ、根から水分を奪ってしまいます。

水の管理は問題ないはずなのに、葉がしおれている場合は、
肥料焼けを疑いましょう。

また土の表面や鉢の縁に、
白い岩塩のような結晶ができていたら、肥料過多のサインです。

一番良いのは、肥料を与えすぎないことですが、
もしうっかり肥料過多の状態にしてしまったら、慌てずに対処します。

肥料濃度が高い状態になっているため、それを水で薄め、排出させます。
まずはいつも水やりをする時の、5倍くらいの量の水を与えます。

鉢底から水が出ても、さらにたっぷりと水をかけて肥料成分を流します。
これを5日間続けた後、様子を見ます。

その後も肥料過多の状態が続くようであれば、同じことを繰り返します。

もし植え替え適期(4月~6月、9月~10月)であれば、
思い切って新しい土に植え替えるという手もあります。

ただし、9月~10月に植え替えた場合は、
根がしっかりと張る前に寒くなってしまうことがあります。

その場合は、通常よりも耐寒性が落ちるため、
室内に取り込み防寒対策をきっちりと行うようにしましょう。

■参考
・レモンの育て方|弱剪定で栽培、鉢植えもOK
・レモンの育て方 12月
・レモンの育て方 1月
・レモン 室内での育て方